深呼吸する言葉

言葉の力

白日日記

metakit2005-09-23

僕は20代から読んでいる新聞は東京新聞である。今は新聞をとっていないが、キオスクなどで買うのは東京新聞である。一般の新聞は、基本的には、公的機関が発信する情報を中央で集めて発行するシクミである。このシクミそのものの構築に莫大な費用と時間がかかっているので新規参入が出来なかったが、インターネットの登場によって、これから崩れていく。新聞とは、公的権力者による「放送」なのである。紙面を実際に作っているのは編集部ではなくて整理部である。まさに警察発表や官邸情報など公的情報を「整理する」だけである。東京新聞だけは「こちら特報部」という編集機能がある。雑誌的な作りと体制になっていて、膨大に集まる新聞社の情報ソースの中から、ひっかかったものを取材して、記事にする。これからの新聞は、こういう機能がなければ、インターネットに負ける。最近の話題は、「アスベストと水道」の問題だ。アスベストによるガン死の報告が続々と出てきているが、どうやら水道の水路(末端の鉛管ではなく本線のコンクリート管)のコンクリートには強度を増すためにアスベストが含有されている。水道の取水口の源流と、蛇口からの水道水に含まれる繊維の量は、かなり違うらしい。テレビや大新聞などは、どうでもよいことについてはヒステリックにわめくのに、こういう大事な問題は騒がない。水道管を全面的に取り替えることなど不可能だろうし、そのために水道が止められたらパニックになる。あまりに問題が大きすぎて、取り上げにくいだろう。マスコミがキャンペーンをはるのは、せいぜい個人的に吊しあげられる相手が特定出来るものであり、こうしたシステム構造そのものの問題を盛り上げる方法を持たない。東京新聞は先日は、テレビのAD(アシスタントディレクター)の過酷労働の問題を取り上げていた。テレビ局の本体の連中は既得権にふんぞりかえって、実際に番組を作っている下請けプロダクションの現場の連中がどれだけ悲惨かということと、入ってきたばかりの新人が続々と辞めていく実体をリポートしていた。マスコミやITというのは、新しく入りたい若者がたくさんいるから、どんどん辞めても入社希望者がたくさんいるから何とかなってしまうのだ。こういう構造こそが、利権構造であり、田舎の郵便局で真面目に働く郵便局員を、怠け者扱いする政府の態度は、許し難い。東京新聞は、他にも、創の篠田くんにコーナーを渡したり、情報の壺を心得ている。ただし部数が少ないのでコンビニなどでは売り切れることも少なくない。100円である。

石綿セメント管について
水道技術情報,狸の水呑場