深呼吸する言葉

言葉の力

白日日記

metakit2006-06-11

◆日本経済界に何が起きているか想像がつく。一代で財をなした企業の創業グループは震撼している。堀江くん、村上くんの逮捕は、日本の全ての経営者に「検察が捕まえる気になればいつでも誰でも捕まえられる」ということを示した。ロシアのプーチンは、政敵を支援した石油会社を潰した。日本人の多くは、「ロシアは野蛮だ」と思っただろうが、LD事件は同質の事件である。そして、この国の企業社会は、大企業の総務部が株価操作を行っている社会である。ましてワンマンの創業家であれば、会社を私物化して株価をコントロールしたり、新事業・新開発のニュースの前に、親戚友人たちにインサイドすることなど、少しも不思議ではない。何かの風向きで自社に検察の視線が向かったら全てを失うことになるかも知れない。そして何が起こるか。僕は「チャコット現象」と呼んでいるのだが、バレーのシューズやレオタードで小さな業界のトップだったチャコットが、エアロビクスなどのブームで一気にレオタードの市場が拡大し、全国展開したところで、創業家オンワード樫山に株式を売却し、あとはその資金で一族は豊かな生活をしているという。同じようなことが日本中で起こるだろう。LDや村上ファンドが潰れても、路頭に迷うのは僅かだが、長年この社会に根付いている大企業が潰れたら、何万、何十万というサラリーマンが路頭に迷うので、国家はそういうことはしない。ならば創業家は、こうした古い大企業に買収された方が、自分たちの利益にもなるし、会社や従業員のためにもなると考えるのは当然だろう。かくして日本企業は、個人の顔の見えない、のっぺらぼうな組織とシテスムだけが威張っている企業の天下となる。ベンチャーが大企業を下克上することを許さず、大企業がベンチャーを吸収していく。ああ、なんとつまらない企業社会だ。ああ、なんとだらしのない僕たち。

◆今週は、出版のセミナーがある。最近、また講演する機会が増えてきたな。ただ、体力が(笑)講演はライブだからエネルギーいる。

◆雨が降ると部屋の壁色が変わる、というようなマンションはどうだろうか。インとアウトのシフトが、ここ20年の現象だからね。


◆「はてな」は一日一本しか日記を書けないので、ぼくみたいな人は困ったな、と思っていたが、ここ数日やってる方式でやれば、問題なかった。もっと早く気がつけばよかった。これで、15年前のパソコン通信時代の「メタ日記」が復活だ。時代は、いよいよ「パソコン通信」の時代に向かう。SNSも結局、「内部」に部外者が入り込み、チクリが起き始めた。やがて個人SNSに向かうだろう。パソコン通信のシスオペをやった人なら分かるが、パソコン通信とはシステムを大家とした家を造るみたいなものだ。mixiやgreeは、融通の利かない大型マンションのようなものだ。これからは個人向けの分譲住宅が必要になってくる。招かれる時代から招く時代へと、ネットワーカーが変質すべきなのである。